作り手の想いがこの地に宿るCraftsman in IBARAKI

ギター製作で世界進出 物づくりの魂よ響け!

ギター製作で世界進出 物づくりの魂よ響け!

高校教師を経て2010年6月、茨城県日立市にギター工房『D's Desigh』を創業。2016年1月には世界最大級の楽器ショー『NAMM show 2016 WINTER』にオリジナルブランドのギターを出展するなど、今注目のギター職人。

ギター職人になる夢は高校生から長髪の高校教師として16年間

ギター職人という職業をご存知だろうか。名前のとおりギターを作る職人のことだ。長髪が似合う土居洋之さんがギター職人になりたいと最初に思ったのは高校生の頃。北海道生まれの土居さんは札幌市内の高校に通っていた。
音楽好きで物づくりの仕事に興味があった彼は、卒業後はギター製作の専門学校に行きたいと考えていた。しかし親は大学への進学を熱望。その想いを受け入れる形で進学したのが茨城県日立市にキャンパスを置く茨城大学工学部だった。
物づくりに興味があった彼にとって工学部の授業は退屈では無かった。バンド活動をしたり、バイクに夢中になるなど、充実したキャンパスライフを過ごした。
卒業後は高校の講師になった。大学へ行かせてくれた親への恩返しだった。きちんとした職業に就いた自分の姿を見せてあげたかったのだ。その講師の職は一年で辞した。元々一生続ける仕事とは考えていなかった。
その後、音楽活動をやりたかった土居さんは、アルバイト生活をしながらバンド活動を行う。しかし一方で、講師時代に出会った先輩の影響で、教師という仕事に興味を持ち始めていた。そんな中、軽い気持ちで教員採用試験を受けたところ見事合格。アルバイト生活は一年で終了し、茨城県内で高校教師としての新生活がスタートした。髪は長いままだった。
 高校教師の仕事で一番やりたかったのは担任を持つこと。当時土居さんは、日本の教育制度に不満を持っていた。自分が担任を持つことで理想のクラスを作りたいと考えた。
「思い上がっていたんですけどね」と土居さんは笑う。彼が担任で良かったと感謝している生徒はたくさんいる気がする。
だって長髪の高校教師なんて、やっぱり何かを期待してしまう。気が付けば十六年という時間が流れていた。その頃になると一番やりたかった担任を持つことが出来なくなってきた。
担任を持たない責任者としての仕事が求められるようになったのだ。未練は無かった。十六年間勤め上げた高校教師の職を辞し、ギター職人の夢に向かって舵を切ったのは四十歳の時だった。

高校教師時代の土居さん。16年間長髪でとおした。

土居さんが製作したベースギター。木板からを削り出すところから製作し、最終的に全部を仕上げる。ボディのフォルムが特徴的。

土居 洋之氏プロフィール

1967年 北海道滝川市生まれ。茨城大学工学部卒業。茨城県内で高校講師を1年、高校教師を16年務める。
退職後、ESPギタークラフト・アカデミー東京校にてギター製作を学ぶ。
2010年6月、ギター工房『D’s Desigh』を茨城県日立市に創業。
2016年1月、アメリカで開催された世界最大級の楽器ショー『NAMM show 2016 WINTER』に『Craftsmanship of JAPAN』の一員として出展。